ソフトウェアの価格設定について
低すぎる値段設定 : プログラムにとても安い値段をつけたとしても、そのプログラムを必要としない人には登録する気を起こさせることはないでしょう。
高すぎる値段設定 : ユーザには、作者がどんなにお金が欲しいか、またどんなに時間をかけたプログラムなのか、などは関係ないことです。ユーザにとって重要なのは、彼らのニーズにあったものか、値段はどうか、またはニーズのために妥協できる範囲の値段であるか、といったことです。プログラムの値段を決定するのに大切な2つのポイントは、 許容範囲の値段であるか( cost of alternatives)、また ユーザにとってのプログラムに価値があるか、ということです。
他社の価格 : 製品への値段設定という繊細な業務を行うには、その製品のシェアウェア市場、一般市場での動向を知る必要があります。他の同様のプログラムの用途を調査したり、自分の製品と品質や機能を比較してみることが大切です。市場に出ている製品はリストされている値段を見るのではなく、メールオーダーのためのディスカウントされた値段をチェックする必要があります。その値段が競合値段であるからです。
あなたがもし、電話のメッセージを記録するといった、世界にただ1つのプログラムを作ったとします。これに何百ドルもの値段をつけるのは時期尚早です。それは、人々はまだ紙にメモを取るという非電算的方法をとっているからです。
ユーザにとっての価値 : プログラムが大きな成功を収めるためには、より広い層をターゲットとし、その値段をはるかに超えるような価値があり、他の同様のプログラムよりも質にすぐれ、かつ安いということを提示しなくてはなりません。もし、ユーザが他のプログラムをすでに習慣的に使っているような場合、彼らに新しい製品に転換させ、試してもらうためには、製品は遥かに優れたものでなくてはならないのです。
事実、すでに他の同様のプログラムが大きく成功を収め、作品ターゲットがその隙間を狙わなければならないような場合、作者はプログラムの値段をとても低く設定するかもしれません。その方がお金を払ってくれるユーザが多く集まってくれると考えるからです。ただ単に他の製品と比較する、といった点ではその方法でもよいかもしれませんが、それは常に自暴自棄で自信のない行為となってしまいます。低い値段をつけてみるのは、評価の低いプログラムや、狭いターゲット向けの場合です。しかし通常はこれでは成功はしないでしょう。通常のユーザは価格がどうであれ、評価の低いプログラムにはたとえ少しであろうとお金をかけたりしないからです。
このように、値段設定はターゲット層の大きさには関係がありません。ご自身の作品が高性能であり、しかし狭いユーザ層でよいのならば、値段の許容を考えた上で値段を高くしておくべきで、その収入で、さらにターゲットを広げたり、また、他のプログラムを開発したりすることが可能になるわけです。
ユーザにとっての価値に対して値段をつけましょう。製作にかかった労力に対しての値段ではありません。
新米プログラマがプログラムを完成させるのに2週間、もしくは数ヶ月要したとしても、いくつもの高性能のツールを持つ経験豊かなプログラマは1日でそれをやってしまうかもしれません。製作に労した時間に対して値段をつけるのではなく、ユーザにとってどれだけプログラムに価値があるかということを基準に値段をつけるのがよいでしょう。
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