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AV Voice Changer Diamonds設定ガイド(詳細設定編)

今回は、AV Voice Changer Diamonds(VCSD)をより使いこなすための[詳細設定]の各効果について解説します。変換した声をより自然に特徴付けするには 詳細設定でのチューニングが必要になります。しかし、詳細設定の内容があまりに専門的過ぎるためにどこからはじめればよいか分からない方が多いのではないでしょうか。
ここでは、スペクトラムアナライザソフトウェアを使って、波形を見ることで視覚的にこれらの設定が実際にどのように影響しているかを 解説したいと思います。 l>

  • イコライザ設定
  • フォルマントモーファ設定
  • ボイスイコライザ設定
  • サウンド品質設定
  • まとめ
  • イコライザ設定

    イコライザの設定によりどのような効果が得られるかは多くの人が知っていると思います。
    イコライザは、音質をコントロールするための主な手段です。入力音声を、30Hz、75Hz、140Hz、280Hz、560Hz、1kHz、2kHz、4kHz、9kHz、16kHzの計10種類の周波数帯に分類し、それぞれを上げ下げすることで音声を調整します。
    通常の音楽の再生のように各周波数帯域を調整することで音質を変えることができます。 例えばVCSDで男声から女声に変換された音声では、すべての入力のピッチが上がるため、変換前には気にならなかった 入力ノイズが変換後に目立つようなことになります。
    イコライザを使って変換後のノイズを抑えることができます。
    良くある利用方法としては、プリセットから[ジャズ]や[クラシック]などを選択し、さらに低音域を少し下げることで 男声から女声への変換後の機械的な音色を抑えることができます。

    ヒント男声が女声になる場合には100Hz近辺から下を少し下げると良いと思います。

    イコライザ プリセット[クラシック]

    プリセット[クラシック]と30Hz 75Hz 140Hzをそれぞれ約-8dB

    フォルマントモーファ

    まず、[フォルマント]についての詳細は、別の文献を参照してください。
    重要なことは、フォルマント0(基本周波数 - 一番低い部分のピーク)の位置(ピッチ)により声の性別が形成されるということです。
    通常男声は、基本周波数が100Hz近辺にあり、女声は、200Hz近辺にあります。従って男声から女声にするには、基本周波数が200%程移動させる必要があるということになります。
    女声アニメキャラクタでは、400Hz近辺の声が使われているため、男性がこれに近づくには、裏声のように高い声を出す必要があります。
    VCSDでは、200%までの移動しかできないため、そのままの発生では無理なことが分かります。
    しかし、通常の女声は200Hz近辺なので男性でも比較的楽にそれなりに女声になることができます。

    ヒント:女性の声の周波数解析結果です。200Hz付近にフィルマント0(基本周波)が現れています。

     

    実際に女性アニメ声にするには、まず[ピッチ]を移動します。画面のピッチバーを上に上げることで波形全体が右に移動します。つまり基本周波数が高くなります。

    ピッチを 100%上げる

    スムージング 15


    ただし極端に移動すると波形全体がつぶれてしまい音が悪く(?)なります。[スムーシング]を少し上げることで波形が滑らかに調整され音声もなめらかになります。

    ピッチを極端に移動した例(波形が乱れている)

     

     

    また、各フォルマント1から4を強さをコントロ−ルすることもできます。しかし、各フォルマントの調整では実際耳では変化が判断できませんが、例えば、フォルマント0および1は 母音を構成しているため、これを低くすると母音が認識しづらくなる音声になります。
    *VCSDではフォルマント0は 変更できません。

    フォルマント1 134%

    フォルマント2 96%

    フォルマント3 62%

    フォルマント4 59%

     

    ボイスイコライザ設定手順

    ボイスイコライザを使って音声の特性、特に音色と発音特性を個別に設定できます。声に個性を持たせるために調整します。

    音声イコライザ モジュールには、4つのスライダがあります。

    [ハイストレッチ]スライダ: 音声の主な特徴である声の深さを調整します。スライダを使って比率を変更することで、男女特有の発音の特徴を設定できます。比率が1のときが素のままで、1以上にすると、アクセントや発音の違いがはっきりと現れてきます。

    [ローストレッチ]スライダ: 音声の主な特徴である声の深さを調整します。調整した際の声の響きは男女間で大きく異なります。比率を1以下にすると、発音の違いがはっきりしなくなり、比率を上げると、男性から女性の声に変換された声に聞こえます。

    [ローシフト]スライダ: 主な音色特性の周波数の配置に影響します。高い周波数は男性よりも、女性や赤ちゃんによく見られ、その差は300Hz程です。しかし、値がマイナス (-300Hzまで)の場合、男性の音色に近くなります。値がプラス(300Hzまで)の場合、女性の音色に近くなります。この操作と同時に、イコライザモジュールを使用して周波数特性を平滑にすることが必要になります(これらの設定を変更する場合、気取っているような雰囲気の声になることがあるので注意してください)。

    [スムージング]スライダ: 平均的なピッチに基づいて、声の音色をより正確に調節します。推奨される平均値は12ですが、高い声質の場合には、20以上に設定することができます。 シャープな音ほどロボットの声のように聞こえ、シャープではない音はより自然に聞こえます。

    ヒント:男声から女声に[ローストレッチ]少し上げます。

    .

    ローストレッチ 0.79

    ハイストレッチ 0.61

    .

    ローシフト 60%

    スムージング 27

    サウンド品質

    効果を試している間に間違ったパラメータ相関を設定してしまう場合があり、結果的に、信号振幅の許容値を超えてしまうことがあります。そのような場合、サウンドカードは信号振幅全体を再生できず、結果として、信号が削られたり、歪んだりします。

    このような問題を出力可能なしきい値を用いて修復することが リミッタ の用途です。リミッタを利用することで、複雑な効果のパラメータを間違って設定したことによる信号振幅制限を回避できます。信号のボリュームを一時的に下げることで、歪みを補正できます。

    リミッタ パネル には次の2つのスライダがあります。

    • [リリース(リリースタイム)]スライダ: 弱めた音量の維持時間を調節します。低い値ではゴロゴロした音が入ることがあります。一方、高い値では信号が弱々しくなる傾向があります。

    • [アタック (アタックタイム)]スライダ: 許容可能なしきい値を超えた場合、効果の適用スピードをボリューム増大値として定義します。低い値では不自然な音になる傾向があり、高い値にすることで、適用中に歪みを補正できます。

    リミッタ はすべての効果を適用した後に設定することをお勧めします。

    アタック 240%

    リリース 147%


    まとめ

    多くの要望があり今回は、できるだけ音性変換を専門的に解説しました。ただ本当の専門家ではないので音声と周波数波形の関係について具体的に説明することはできませんでした。 が、ボイスチェンジャで音声変換することでどのような変化があるのかを視覚的に捉えることができました。
    これを機会に是非とも専門家の方により分かりやすく解説して頂けると良います。ボイスチェンジャソフトも一般の利用用途だけでななく、大学などの研究室でも 研究のツールとして利用される機会が多くなりました。
    いつか専門技術解説みたいなのが発表されるといいですね。

    また、弊社 shareEDGEサイトだけでなく多くの個人の利用者様が有用な設定情報をアップしていますのでそちらも参照されると良いと思います。

    ことろで近く[ボイスチェンジャを使いこなすための公式本]が出版される予定です。こちらも期待したいものです。
    ご意見ご要望がありましたらお知らせください。

    2011.6.29 作成

     

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